令和3年度が始まりました。生徒の皆さんは今年度の目標をしっかり立ててスタートできたでしょうか。

3月の終業式で、令和2年度は皆さんの学習面での頑張りが際立ったという話をしましたが、今年度も1時間1時間授業への出席を積み重ね、登録した科目すべての単位修得を目指してほしいと思っています。

もう一つ、卒業生たちが宍道高校で学ぶ皆さんに伝えたいこととして、「自分の好きなこと、やりたいことに本気で取り組む」ということを挙げていたということも話しました。

自信がない、失敗したくないと尻込みせず、ぜひ新しいことに挑戦してみてください。それまでしたことのない新しいことに取り組むとき、誰もが不安や心配を感じますが、同時に自分の中からエネルギーが湧いてくるようなワクワクする気持ちも感じるものではないでしょうか。うまくいかないことがあったとしても、そこから学ぶということも貴重な学びです。新しいことへチャレンジする自分、不安もワクワクする気持ちもひっくるめて楽しんでやってみましょう。

さて、宍道高校でも今年から新しいことが始まります。県内の小中学校では外国につながりをもつ児童生徒が増えています。その生徒たちが高校で学びやすくなるように、支援する体制を本校で整えることになりました。

もちろん今までも、外国につながりをもつ人は本校で学んでいたのですが、その人たちは実はさまざまな苦労をしながら学んでいたかもしれません。例えば幼い頃に日本語以外の言語を身につけ、日本語についてはまだ十分に学ぶ期間を持てていない人にとっては、授業で使われる日本語は難しく、苦労しながら勉強していたかもしれません。今年度からは、日本語に不慣れな場合でも学びやすい環境を整えていきたいと思います。

その一つとして、例えば学校から皆さんやご家族に渡すお知らせなどに、これからは漢字にフリガナの振ってあることがあるかもしれません。これも分かりやすいお知らせにするための工夫ですので、ご了解ください。

宍道高校を語るキーワードの一つは「多様性」です。本校には入学までの経緯、学習に向かう動機、将来の目標など、一人ひとり異なる人が集まって、ともに学んでいます。生活してきた場所、文化的な背景が異なる場合もあります。さまざまに異なる人がいるということは、自分がそれまで知らなかった、気づかなかったことに気づく機会があるということでもあります。今年度、自分とは異なる国、文化のなかで生活し学んできた人との出会いを通して、新たな発見をしてほしいと思っています。