2023年7月 合同年次集会講話
おはようございます。暑い中、大掃除お疲れ様でした。
皆さんは学校の節目の時に何故大掃除をするのか、考えたことがありますか?
大掃除のルーツは「すす払い」で、払うという言葉には清めるという意味があり、新年を司る神様を迎えるための神聖な清めの行事とされています。つまり大掃除はケジメの一つで、学校では夏休みを前に、一つの区切りとして普段の生活の場をきれいにすることで、気持ちも新たに、次にむけてまた頑張ろうとするところにあります。
さて、唐突ですが、一つ質問です。「カラスは何色ですか?」
対面であれば答えを聞きたいところですが、多くの皆さんは「黒色」と答えると思います。または、ちょっと言葉を換えて「濡れ羽色」とか。
では、私が「カラスは白色」と答えたら、どうでしょう。「校長先生、それは間違いです。カラスは黒色に決まっています」と反論するでしょうか。
自分の中にある「きっとこうだろう」という隠れた思い込み、無意識の偏見を「アンコンシャス・バイアス」といいます。「カラスは黒」というアンコンシャス・バイアスが働けば、白いカラスの存在を一切考えることなく否定することになります。実際、白いカラスは存在していて、色素減少で白化し、群馬県や北海道で確認されています。
皆さんも普段の生活のなかで、アンコンシャス・バイアスが働いて、「私は勉強が苦手だから、頑張ってもどうせできない」「朝、早く起きることは絶対に無理」と、取り組む前から「できない」「むり」と自分で自分の限界をつくったり、あきらめたりしていませんか。また人との関係においても「○○さんは見た感じ私とは話が合うようには思えないから、関わらずすこし距離を置こう」と、その人をよく知ろうとすることなく交友関係を狭めてしまったりしてないですか。
4月の始業式で、半歩前という意識をもって何か一つでも行動に移してほしい。その小さな頑張りの積み重ねが大きな一歩、大きな自信につながっていくはずだという話をしました。
自分は○○だ、あの人は○○だ、と最初から決めつけるのではなく、まずはやってみる、まずは話をしてみる。そうすることで今までとは違う自分が発見できたり、自分に良い刺激を与えてくれる友人ができるかもしれません。
この夏休み、「まず」を意識した行動を心がけ、自分が苦手と思っていることに何か一つでもチャレンジしてください。
最後に4年次生の皆さん、この夏、何をしなければならないか明確になっていますか。次のステージに立っている自分の姿をイメージして、応募前見学やオープンキャンパスに積極的に参加し、進路目標達成にむけ取り組んでください。
それでは、事故等十分に注意して、充実した夏休みを過ごしましょう。